× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
しかし「想定できる範囲の外」のことは、常に「想定していない」ところから始まる。 私が過去に経験した「想定外」のこととして、次のことがある。
●「ダブルブラインド」と「オープンな長期試験」を同一病院で実施していたときに、間違えて治験薬が投与された。 つまり・・・・ 「長期投与試験」に入っている患者さんに「ダブルブラインド」の治験薬が投与されてしまった。 ぎゃくに「ダブルブラインド」の治験薬が「長期投与試験」の患者さんに投与されてしまった。
この2つの事例で、どちらの患者さんは「有効性データ」から削除し、どちらの患者さんは「有効性データ」も「安全性データ」も削除すべきか、考えてみましょう。
●さらに、治験薬の「内容量」が変わったのに、それが全ての治験実施医療機関に伝わっていなかった、というのもある。 あるロットから、内容量が50mlから55mlになった(濃度は一緒)。 患者の体重から投与量を決める治験だったのだが、この場合、どのような処置、対応、データの取り扱いをしたらいいかを考えてみましょう。
●また、ある「臨床試験検査」から、ダブルブラインドのブラインドが保てなくなった、というのもある。 ある検査値をみると、一目瞭然として、「治験薬群」なのか「プラセボ群」なのかが分かってしまう、という事態もあった。
●ほかにも、「治験薬群」と「プラセボ群」が全く、逆に割りつけられた、というのもある。
●分包されている薬の数が「2錠」のはずなのに、ある治験実施医療機関で「3錠が入っている」分包が見つかった。 ・・・・・・・等など。
僕の数少ない治験経験の中でもこれだけのことを見聞きしたのだ。 「まさか!」という事態が発生することもあることを肝に銘じておこう。 あわてずさわがず、という分けにはいかない。 そういう事態が発生したら、とにかく「優秀な頭脳」を緊急招集して、対応をもれなく考え出すのだ。 アポロ13号のときのNASAのように。
今回の大震災では、何もかもが、「想定外」のことだった。 絶対安全と言われた原発で放射能漏れが発生した。 指定された避難所が津波に襲われた。 過去の記録をはるかに超える津波が発生した。 僕たちの治験でも起こりうるのだ。そういうことが。 緊急時対応マニュアルを作成するのもいいかもしれないが、そのマニュアルを超えて事態が発生するのだ。 東京電力や政府の今回の対応をつぶさに観察して、自分たちの組織に反映させよう。 何が事態を悪化させるのか、が観察のポイントだ。 また、何が事態を打開したのか、が観察のポイントだ。
■■■『 医薬品ができるまで』(治験に関する話題) ■■■ ↓ 『 医薬品ができるまで』(治験に関する話題) ●メルマガの登録はこちら ↓ 「モニターとCRCのためのGCPメル“ガマ”」 ↓ http://www.mag2.com/m/0000102664.html PR |
![]() |
![]() |
|
![]() |
トラックバックURL
|
![]() |