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映画化されたことでも有名な本。 メジャーリーグの球団アスレチックスの年俸トータルはヤンキースの3分の1でしかないのに、成績はほぼ同等。 この不思議な現象はゼネラルマネージャーのビリー・ビーンの革命的な考え方のせいだ。その魅力的な考え方はなんにでも応用できる。 マイケル・ルイスはこの本で、その考え方を、切れ味のいい文体で、伝記を書くように書いた。 ここには選手たちがたどる数々の人生の感動と、人が生きていくための勇気が溢れている。
四球とヒットは同価値である。 シングルヒットは投手の責任ではないetc。 そういった理論で他球団が見向きもしない選手を安く仕入れて、優勝を争うチームに仕上げる。 そして、活躍した選手を高く売り、その資金で選手を仕入れ再び優勝を争うチームに仕上げる。 貧乏球団アスレチックスのGMビリー・ビーンの哲学である。 そんな彼が率いるアスレチックスの費用対効果は素晴らしい。
この作品に書いてあるのだが、野球選手の本当の実力を、誰もが知っている打率や打点だけでは評価しない、という試みは野球関係者以外の間では以前からあったそうである。 最も野球関係者は相手にしなかったのだが…。 ビリー・ビーンの凄いところは、その方法を採用すると決めた決断もしただけではなく、それを徹底した点である。 そこに現れている数値を冷静に判断する彼の行動が、かなり感情的で強引なのがおかしいが、結局のところ彼のこのキャラクターがなければアスレチックスの躍進はなかったであろう。 それは、彼の片腕であり、後にドジャースのGMに転身したポール・デポデスタが2年で解雇された姿を見れば明らかだと思う。 知性と野性を兼ね備えた男ビリー・ビーン。 毀誉褒貶はあるに違いないが凄い男である。 ただ、すべてがアスレチックスのようなチームになった野球が面白いかと言えば、答えはNOであろう。 “金満球団“ヤンキースや豪快な空振りをする選手、魔法のような守備を見せる選手は必要である。 そういった存在がなければアスレチックスの魅力も輝かない。 そして、その逆もいえるのである。 野球。一つの物差しでは測ることの出来ない奥の深いスポーツなのである。
本物の知識で生き残るための1冊だ。 PR |
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